腱鞘内注射
腱鞘内注射とは
骨と筋肉をつなぐ結合組織を腱といい、この腱を包み込むようなトンネル状の組織のことを腱鞘といいます。
腱鞘は、手の指や手首を曲げたり、伸ばしたりする際、腱がスムーズな動きをするのに欠かせない働きをするものですが、手や指を酷使したり(オーバーユース)、ホルモンバランスが乱れたりすると腱鞘炎を発症するようになります。
この場合、指を曲げたり伸ばしたりすると引っ掛かりを覚える「ばね指」、手関節の親指側に腫脹や痛みがみられる「ドゥ・ケルバン病」などによる腱鞘炎がよくみられます。
これら腱鞘炎による強い痛みが現れている場合に行われるのが腱鞘内注射です。
腱鞘に向けて注射針を刺入していきますが、炎症を抑える作用のあるステロイド薬と痛みをやわらげる効果があるとされる局所麻酔薬が含まれる薬剤を注入していきます。
注射による施術なので、治療時間は数分程度であり、同注射によって腱鞘の炎症が軽減すれば、手指や手関節への腫れや痛み、関係部位の可動域の制限も緩和されるようになります。
なお注射後の注意点としては、注射部位に一時的に痛みや腫れが現れるほか、皮膚が変色することがあります。
また同注射を繰り返すようになると腱を弱めることにつながるので、回数や注射を打つ間隔については、医師が慎重に判断します。
関節内注射
関節内注射とは
関節腔に向けて直接注射を行う医療行為のことを関節内注射といいます。
これによって、局所的な鎮痛効果や抗炎症効果が期待できるようになります。
注射薬として使用されるのは、関節液に多く含まれる主成分のヒアルロン酸(関節をスムーズに動かせるようになるほか、軟骨を保護するために用いられる。また人体に含まれる成分に近いので、副作用が少ないのも利点)、ステロイド(抗炎症作用がある。ただ繰り返しの使用は軟骨等周囲の組織に悪影響が及ぶこともある)です。
同注射が用いられる対象疾患としては、変形性膝関節症、肩関節周囲炎(四十肩、五十肩)、関節リウマチなどがあります。
これらの整形外科疾患で通常行われる薬物療法(内服薬)では効果が乏しい患者さまや、痛みが強く出ているため、歩行や運動が難しい患者さまに用いられます。
施術後の注意点としては、一時的ですが注射部位に痛みや腫れがみられることもありますが、多くは数日から一週間程度で治まるようになります。
ただ上記の期間を過ぎても腫れや痛みが強い、発熱がみられるといった場合は、感染症を引き起こしている可能性もあるので、速やかに医療機関を受診されるようにしてください。
トリガーポイント注射
トリガーポイント注射とは
筋肉あるいは筋膜に発生した硬いしこりのような部分(トリガーポイント)に向けて、薬剤(局所麻酔薬)を注射していく治療法のことをトリガーポイント注射といいます。
そもそもトリガーポイントとは、筋肉の酷使や長時間同じ姿勢を続けることなどが原因となり、筋肉の緊張が持続することによる血行不良等によって形成される硬いしこりのことで、この部分を強く押すと痛みが拡散するようになります。
同注射の主な対象となるのは、肩こりや腰痛、筋・筋膜性疼痛(慢性的な痛み、しびれ 等)を訴えている患者さまです。
痛みを強く感じる部位をしっかり確認してから(超音波検査で注射位置を探る)、トリガーポイントに対して直接的に局所麻酔薬を含む薬剤を注射していきます。
施術時間は、注射療法なので数分で終了します。
局所麻酔薬は鎮痛効果があるほか、硬直した筋肉をほぐし、血流を改善させる働きも期待できるようになります。
また医師が必要と判断すれば、リハビリテーションやストレッチ、内服薬(筋弛緩薬 等)などを併せて使用することもあります。
注射後の注意点としては、注射部位に腫れや痛みが一時的にみられるほか、内出血、倦怠感、ふらつきなども現れることがあります。
ただこれらは数日程度で治まるもので、日にちの経過と共にやわらぐようになります。
神経ブロック注射
神経ブロック注射とは
痛みを伝える働きをする末梢神経を主なターゲットとして、局所麻酔薬やステロイド薬を注入していくことを神経ブロック注射といいます。
同注射によって、一時的に痛覚の伝導を遮断するので、身体に生じていた痛みを和らげたり、消失させたりすることができるようになります。
そもそも痛みというのは、身体の不調を知らせるという意味において、非常に大切な役割を果たします。
ただ長引く痛みというのは、常に筋肉を緊張させることとなり、血流を悪化させるなどして、痛みをさらに強くさせるという悪循環を引き起こします。
このような状態を防ぐために同注射は有効で、単に痛みを抑えるというだけでなく、過敏になっている神経を落ち着かせられるようにもなるので、上記のような負のスパイラルを断ち切れるようになり、筋肉の緊張もほぐれていくなどして、身体が動かしやすくなっていくのです。
この神経ブロック注射につきましては、現れている症状や原因疾患によって注入部位が異なるのですが、種類としては以下のようなものがあります。
硬膜外ブロック注射
硬膜外ブロック注射とは
硬膜とは脊髄などの中枢神経や馬尾神経を包んでいる硬い膜のことで、この硬膜外側と背骨の内側の骨膜の間にあるスペース(硬膜外腔)に向けて局所麻酔薬を注入するブロック注射になります。
痛みやしびれのある部位によって、注入する部位も異なります。
急性腰痛や坐骨神経痛等であれば、仙骨付近の硬膜外腔に向けてのブロック注射(仙骨硬膜外ブロック注射)、腰部脊柱管狭窄症や椎間板ヘルニア等であれば、腰部付近の硬膜外腔へのブロック注射(腰部硬膜外ブロック注射)となります。
神経根ブロック注射
神経根ブロック注射とは
脊椎にある神経の根元付近に局所麻酔薬を注射によって直接注入していき、疼痛を除去するなどしていきます。
身体の深い場所に注射針を刺入することになるので、X線透視装置で注射部位を確認しながらの治療となります。
適応疾患としては、腰椎椎間板ヘルニア、腰部脊柱管狭窄症、変形性脊椎症、帯状疱疹後神経痛などが挙げられます。
副作用について
注射部位からの発赤や痛みがみられるほか、感染症に罹患するリスクもあります。
また注射針が神経に触れることがあれば、神経損傷を引き起こすこともケースとしてはまれですが、可能性としては考えられます。
このほか、薬剤によるアレルギー反応、一時的にしびれや麻痺がみられることもあります。
予防接種
予防接種とは
感染力が強い、重症化するリスクがあるとされる感染症に対して、感染しにくくする、あるいは感染しても軽度な症状で済むようになるために行われるワクチン接種のことを予防接種といいます。
ワクチンとは、感染症の原因でもある細菌やウイルス等の病原体の病原性を弱めたり、無力化させてから必要なものを集めたりして作られるなどした医薬品です。
これを体内に接種していくことで、特定の感染症に対する免疫がつけられるようになるので、その後に同様の病原体が体内に侵入して発症したとしても重症化する可能性は低減します。
当院では、以下のワクチンによる予防接種を行っています。
ご希望の際は、事前にお電話等で日時の予約をご連絡ください。
インフルエンザワクチン
インフルエンザワクチンとは
インフルエンザを予防するためのワクチンで、各自治体では例年であれば10月より接種が開始されます。
予防対策としては、マスクの着用やこまめな手洗いなどもありますが、より有用とされているのがインフルエンザワクチンの接種です。
同ワクチンは、持続有効期間が約5ヵ月、接種後に効力を発揮するまでに2週間程度の期間を要します。
したがって、できるだけ高い効果を得られるようにするには接種時期も重要です。
インフルエンザは毎年冬~春にかけて流行しますので、遅くとも流行のピークとなる1月よりも少し前の時期にあたる12月中旬までに接種を終えるようにしてください。
なおインフルエンザワクチンは年齢によって接種回数が異なります。
13歳未満のお子さまについては、計2回の接種が必要で、1回目の接種を終えた2~4週間後に2回目を受けるようにしてください。
13歳以上の方からは、接種回数は1回となります。
帯状疱疹ワクチン
帯状疱疹ワクチンとは(2026年から2027年内導入予定)
帯状疱疹を予防するためのワクチンで、定期接種扱いにもなっております。
定期接種の対象となる方は、当年度内(4月1日~翌3月31日)で65歳になる方、60~64歳の方でHIV(ヒト免疫不全ウイルス)による免疫機能障害があって、日常生活で大きな支障をきたしている方としています。
また令和11年度までの経過措置として、その年度内に70・75・80・85・90・95・100歳になる方も定期接種の対象に含まれます。
上記の定期接種対象者につきましては、費用の一部が公費助成となります。
詳細は、清瀬市の公式ホームページをご覧ください。
なお帯状疱疹ワクチンは2種類(ビゲン、シングリックス)あるので、接種を希望される方は、どちらかひとつのワクチンを選択する必要があります。
なおビゲンは生ワクチンで接種回数は1回なので、費用を抑えられることが利点です。
一方のシングリックスは組み換えワクチンで計2回の接種が必要となります。
したがって費用は割高となりますが、予防効果は接種後1年で9割以上となっています(ビゲンの予防効果は6割程度)。
最近の海外の大規模研究では、帯状疱疹ワクチンを接種した方は、認知症を発症するリスクが約20%低いことが報告されています。
ただし、このワクチンは認知症予防を目的としたものではなく、主な目的は帯状疱疹の予防です。
認知症リスク低下については今後さらに研究が進められています。
なお計2回接種の場合は、1回目の接種から2ヵ月以上の間隔を空けて2回目を行います。
ちなみに同ワクチンは、定期接種の対象外とされる方も接種は可能ですが、ビゲンは50歳以上の方、シングリックスは50歳以上もしくは18歳以上で帯状疱疹を発症するリスクの高い方を接種の対象としています。
費用に関しては、任意接種となるので全額自己負担となります。
接種後の副反応に関してですが、ビゲンでは注射部位に発赤、かゆみ、熱感、腫脹などがみられ、全身症状としては、発疹や倦怠感が現れることもあります。
またシングリックスでは、注射部位に疼痛、発赤、腫脹、かゆみ等がでることがあります。
また全身的な症状としては、筋肉痛や疲労感、頭痛、発熱、嘔吐・吐き気、胃腸症状などを訴える方もいます。
いずれにしても、これらの症状の多くは数日~1週間程度で治まるようになります。
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